みちのく交流授業
地域と関わるために
みちのく療育園メディカルセンターでは、“小学生への障がい理解”と“施設を利用される方の社会参加”を目的に
みちのく交流授業を行っております。
小学生への障がい理解
他人との違いを感じ始める小学生に、障がい理解を深めてもらいたいとの願いから取り組みがスタートしました。
福祉の授業プログラムがある4年生を対象に、日常生活のスライドショーでイメージを膨らませてもらった後に、福祉用具の説明やミキサー食の試食などを体験してもらいました。
事前授業後のアンケートは
・車イスを押してみたい
・手遊びをしてみたい
・歌を聴かせてあげたい
・ゲームをしてみたい
・車イスを漕いでいるところを見てみたい
など「利用者さまのことをもっと知りたい」「一緒に何かをしてみたい」といった内容が多くみられました。
とろみ茶やミキサー食の試食では、
・とろみ茶まずい
・正直、ミキサー食は食べたくないと思ってしまった
・ミキサーにかけると本当に食べやすくなるの?
・正直、ミキサー食は食べたくないと思ってしまった
・ミキサーにかけると本当に食べやすくなるの?
など率直な感想が聞かれました。
車イスの紹介では、
・いろいろな形の車イスがあってびっくりした
・見たことも触ったこともない車イスがあってびっくりした
といった感想も聞かれました。
そして、同行した利用者さまと児童との交流を行います。
交流後の感想
◎障がいを持った人は、自分であまり動けないと思っていたけど、自分でできることがいっぱいあってびっくりした。
◎少しでも反応してくれてうれしかった。
◎スタッフさんたちも、ちょっと工夫して、どのようにすれば過ごしやすいか考えていてすごいと思った。
◎目が見えない、耳が聞こえない。けど、手で触れてわかる。
◎二人とも笑ってくれて、言葉はわからないけど、気持ちが伝わってくる。
◎緊張して笑わなかったけど、空気や感覚をよんで、わかることがすごいと思った。
◎僕は、車イスに乗って、やわらかいご飯を食べるのはいやだ。でも、そうなってしまう人もいる。それでも、僕たちと同じことができる。それは、思うこと。好きなことがあって、嫌いなこともある。好きなことがたくさんあって、いろんなことができる人だった。見えないし聞こえないけど、物を握れた。
施設を利用される方の社会参加
当園利用者さまとともに小学校へ訪問し、児童と一緒に交流を行うことで、地域との関わりを経験していただくことができました。
利用者さまに交流授業があることを伝えると、楽しみにしている様子でした。
交流授業を利用者さまの自己表現の場にしたいと考えています。児童に送る手紙や紹介の内容は、絵や写真で伝わりやすいよう利用者さまと一緒に用意しました。
障がい者が特別なことをするのではなく、「私はこういう人です」という、ありのままの姿を示せる場所や時間は、重症心身障害者の社会参加につながると考えております。
~これからも続けます~
重症心身障害者というのはまだまだ認知されていないと感じております。
そんな中で、「子供たちにとっていい勉強になった」というお言葉を先生方からいただけたことも私達の励みになりましたし、参加した利用者さまにとってもかけがえのない体験になっていると感じております。
また、参加した利用者さまのご家族の理解もいただけ、「我が子にできることなら是非」と言っていただけております。
今後も、職員だけでなく、利用者さまとご家族、学校や地域の皆様と協力しながら、人が人に出会って笑顔になれる取り組みを続けていきたいと考えております。